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秘匿

 長い時に晒された見えないなにかが

 今なお生まれ続けている

 

 遍く物に入りこみ

 いのちを吹きこみ

 歓びにみち

 夢とともにあり

 宇宙のようにどこまでも果てのないなにかが

 

 息づくそれは 災禍に翻弄されようとも

 芯のようによりそい

 途方に暮れた人を気づかれぬまま励ます

 

 どこにあっても

 触れようとしても 触れられないけれど

 あたたかくも つめたくもないけれど

 優しさだけはなににも負けない

 

 のさり(さずかりし物) とだれかが囁いた

 大海に 天地に宿るもの

 鉱脈の下に眠るもの

 

 いったいどれほどの無限を甘受すれば

 生まれ変わるのだろうか

 それとも甘受し続けることじたいが

 生まれ変わりだろうか

 

 絶え間なく記憶を遡り

 未分化へと戻ろうとする

 もっと眠っていたいのだという

 夢の奥底へ

 

 だれにも気づかれたくないから

 頑なに 降りてゆく

 だれも見たことのない祭壇を求めて

 夢の向こう側へ

003
(朝陽)

 

☆ 第29回国民文化祭・あきた2014 現代詩フェスティバル参加作品

 

 

 

 

 

 

 

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