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2014年7月

ユマニチュード l'humanitude

 本田美和子,イヴ・ジネスト,ロゼット・マレスコッティ(2014).ユマニチュード入門.医学書院

 DVD(2014).ユマニチュード-優しさを伝えるケア技術.医学書院

 人として接することで、子が人になるように、人として接することで、認知症高齢者は人としての生を取り戻す。そこにあるのは、優しさの方法論である。

 人として接するとは、絆をつくっていくことである。

 あなたのそばには私がいます、だから安心してくださいと、言っている。

 「あなた」にわかるように、安心してもらえるように、ケアを尽くす。

 見る(視線を捉まえる)、話す(わかるように説明する)、触れる(安心を共有する)、そして立つ(能動を促す)。なぜそうするのか、根拠がわかっていることが重要である。わかっているからこそ、ケアができる(無意識にわかっている人もいる)。

 意味が剥落するから、意味を与え続ける。すぐに忘れがちであるから、話しかけ続ける。愛情を失いがちだから、愛を出し続ける。それが絆をつくっていくこと。

 優しく、ゆっくり、静かに、歌うように。

 私たちに必要なのは、「あなた」のことを思い続けること。

 「あなた」が大切に育ててきたたくさんのものに、一つ一つ気づいていくこと。

 絆を手放さないこと。

 いつまでもいっしょにいること。

http://www.youtube.com/watch?v=yUs-8-w86LM

http://www.youtube.com/watch?v=viC378BmxTc

004

(夕日と桜)

 

 

静寂

 この私を生かしている

 この私の死

 千たびの生まれ変わり

 妖精たちよ

 

 闇に舞い 昼に安らう

 優しきものよ

 いつからいたのだろう

  ――有史以前から

 いつまでいるのだろう

  ――さあ、知らない

 何ものかと問えば

 存在ではないと答える

 この私の死よ

 生まれ変わりよ

 

 癒しの丘に

 一陣の風が吹く

 一輪の花が咲く

 見知らぬ風景があらわれる 

 思い出せない香気に満ちている

 

 懐かしいのは未知ゆえ

 かたちを生もうとするから

 しかし生まれたくないものは引力を帯びる

 

 風景の向こうへ

 足跡のない砂地へ

 場所でない場所の水をのみほし

 降りてゆく

 降りてゆく

 遡る

 

 古来の姿をした妖精たちが跳ねる

 ひそひそ話しは森に満ちる

 しーんと息づく

 やがて辺りは薄紫に染まる

006

(妖精たち)

 

 

 

 

 

 

  

  

 

 

  

 

 

論理

 死とは生きようとする力である。

 私の中にある生命を感じてみよう。その核にある(ない)ものが死である。

 生きようとするそれは、発現のかたちをつねに模索している。

 それは無限の可能性である。

 可能性は夢を見ている。今あるそれを否定しつくしてなお生まれる思念を捕捉しようとする。その営みを論理と呼ぼう。

 植物に花が咲くこと、実が生ること、繰り返されること、別のかたちが生じること。一切は論理である。

 だからつねに論理とともにある。

 その閃きに酔い、不条理を受け入れる。

 望むのではなく、心を傾ける、砕く。変容に生きる。

 私の死を対象の動きにシフトさせる。拾い集め、纏い、晒され、すべてを感じとろうとする。それは人の営み。

 千たび死に(生き)、なお論理の生成を見守る。

 可能な限り意識を拡げ、どこまでも深化させる。人の存在理由である。

 この世が生まれる前まで遡り、生まれない(生まれたくない)可能性を感じとる。

 帰還し続ける。

 見たことのない風景に出合おうとして、自らを否定する。

 死が生に満ちてこそ、生は輝く。

001

(大切な命)

 

 

 

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