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古武術に学ぶ身体操法

 甲野善紀(2014).古武術に学ぶ身体操法.岩波現代新書

 半年前、介護の研修で、岡田慎一郎氏の古武術介護を紹介した。岡田氏は甲野善紀氏に学んだということで、甲野氏の著書を読んでみた。

 甲野氏は、つねに自身の身体操法について考え、日々進化している。それがとても参考になる。

 古武術という視点から、あるいはそれ以前の彼自身の感性によって、現代の人々が忘れてしまっている身体の動かし方、つまり生き方を、本書は問い直している。

 例えば、「居付き」について、

〈普通はみんな足で蹴って逃げるでしょう。ところが蹴っている間はその場に居付いて、拘束されてしまうんです。そこで身体の支えをはずすようにして、いきなり身体が倒れるようにすれば、もちろん倒れてはだめですが、倒れようとする重力のエネルギーが使えるでしょう〉p.30

 「居付い」てはいけないというのは、身体だけでなく、日常生活のあらゆる場面で言える。一つの考えに囚われてはいけないなど。

 より柔軟に、合理的に、彼は思考する。それが身体感覚として身についている。だから日々更新できる。

 居付かないというのは、「ためをつくらない」発想と近似する。瞬時に動く、ということである。

 身体の使い方として、私は以前マラソンをしている時、強い向かい風にどう対処するか考えたことがある。その方法とは、前傾姿勢をとり、吹いてくる風に身体を乗せる、というものである。さらにヨットの要領で、身体を左右に分割したうえで、上体を帆に見立て、向かい風を推進力に利用するつもりで走る。すると、実際に速く走ることができ、以来向かい風が苦にならなくなった。これなどは、甲野氏の古武術身体操法と似ているかもしれない。

 日々介護をするなかで、自他の身体に負担をかけない方法について、つねに考えていきたい。

017

(桜の花びらは雪のよう:熊本市国府)

 

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コメント

 向かい風での走り方参考になりました。ヨットと同じ原理とは面白いですね♪ 確かにヨットは風上に向かっても進行できるのが不思議です。
 もっとも私はヨットの経験はありませんので上手に真似できるかわかりませんが(笑)
 6月1日は柴又100Kです。 私のHPからもリンクしています。
 http://tokyo100k.jp/index.shtml

柴又ですね。長い距離、道中の景色など、楽しんでください。
甲野さんの古武術は、マラソンにはあまり参考にならないかもしれませんが、身体感覚を身につける点ではためになると思います。

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