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2014年3月

古武術に学ぶ身体操法

 甲野善紀(2014).古武術に学ぶ身体操法.岩波現代新書

 半年前、介護の研修で、岡田慎一郎氏の古武術介護を紹介した。岡田氏は甲野善紀氏に学んだということで、甲野氏の著書を読んでみた。

 甲野氏は、つねに自身の身体操法について考え、日々進化している。それがとても参考になる。

 古武術という視点から、あるいはそれ以前の彼自身の感性によって、現代の人々が忘れてしまっている身体の動かし方、つまり生き方を、本書は問い直している。

 例えば、「居付き」について、

〈普通はみんな足で蹴って逃げるでしょう。ところが蹴っている間はその場に居付いて、拘束されてしまうんです。そこで身体の支えをはずすようにして、いきなり身体が倒れるようにすれば、もちろん倒れてはだめですが、倒れようとする重力のエネルギーが使えるでしょう〉p.30

 「居付い」てはいけないというのは、身体だけでなく、日常生活のあらゆる場面で言える。一つの考えに囚われてはいけないなど。

 より柔軟に、合理的に、彼は思考する。それが身体感覚として身についている。だから日々更新できる。

 居付かないというのは、「ためをつくらない」発想と近似する。瞬時に動く、ということである。

 身体の使い方として、私は以前マラソンをしている時、強い向かい風にどう対処するか考えたことがある。その方法とは、前傾姿勢をとり、吹いてくる風に身体を乗せる、というものである。さらにヨットの要領で、身体を左右に分割したうえで、上体を帆に見立て、向かい風を推進力に利用するつもりで走る。すると、実際に速く走ることができ、以来向かい風が苦にならなくなった。これなどは、甲野氏の古武術身体操法と似ているかもしれない。

 日々介護をするなかで、自他の身体に負担をかけない方法について、つねに考えていきたい。

017

(桜の花びらは雪のよう:熊本市国府)

 

超本性的

〈本性的な能力によって把握されるものはどれもこれもあやふやなものである。超本性的な愛だけが根拠をもつ。こうしてわれわれは共創造者となる。

 われわれは自分自身を遡創造することによって、世界の創造に参与する〉

  «Tout ce qui est saisi par les facultés naturelles est hypothétique. Seul l’amour surnaturel pose. Ainsi nous sommes cocréateurs.

  Nous participons à la création du monde en nous décréant nous-même»

                                           シモーヌ・ヴェイユ

          *          *          *

 私が生きているのは、私ではないものを大切にするためである。

 私が私でないことを実感し生きることを、遡創造(脱創造)と言う。その生き方が尊いというより、それが「生きる」ことである。それが世界の創造に参与することである。

 私が、愛するのではない。私でない何かが、私を通して愛するのである。それゆえに、それは代償を求めないし、また満足することもない。それは愛であると自覚されないかもしれない。しかしそれは、世界と共に、世界を創ろうとする行為である。

 「私ではない」対象といっしょに、世界を創ること。対象から感得される大切なものを探しつづけること。生きるとは、そういうことである。

014

(暖かな日差しを浴びて)

 

死とはなにか

 生を生たらしめているもの。

 生によりそい、生を支えているもの。何かしらあたたかなもの!

 無限とも言える。生命そのもの、と言ってもいい。

 物事の核心、所謂0地点。

 存在の輪郭は消え、生を渇望する気配に満ちた場所。

 言葉の溢れ出す場所、時の止まる瞬間。

 死とはそのようなもの。

055

(冬の光を浴びて/熊本再春荘病院)

 

僕のいた時間

 細部が良いと感じる。

 私も引っ越し先のマンションの室内に段差があるので、拓人の家のスロープのつくりがとても参考になった。

 ヘルパーさんに関しても、人手が足りなくて、経験の浅い人しか派遣できないとか、リアルな感じが伝わってくる。

 利用者に、なぜ介護の仕事をはじめたのかと問われ、恵は「なるべくしてなったというか…」と答える。それも実感がこもっている。

 拓人の身体の動き、心の動き(葛藤)も、よく伝わってくる。

 拓人の勤める会社の人たちの理解も、自然体でよいと感じる。

 陸人の真面目な性格もよくわかる。

 いろんなことを考えさせてくれる、とても良いドラマだと思う。

 http://www.youtube.com/watch?v=jX_8DcL1e8c

025

(わが家にもスロープができました♬)

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