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三月三十一日

 ガラス格子のこちらでは

 ギターがやさしく時を超える

 かつて見た

 滑らかに動くいきものの絵が閃く

 ララルー ララルー

 同郷の音がする

 

 向こうでは風が車を連れている

 砂塵も

 日の翳りも

 おおぜいの花びらをも

 演奏会のあと道に出ると

 世界は思っていた以上にやわらかかった

 

 風はゆっくりとし

 人や動物の声は笑っていた

 桜の木の下に寄ると

 日はさらにやわらいだ

 毎年のように

 今年は より念入りに絵筆がおかれた

 とき

 にわかに 時がまたたいた

 

 演奏家の選んだ時がここにあり

 桜の花がそれによりそう

 correspondance

 ありとあるものの

 

 花はみち

 過去もまたあふれ

 時空におさまるを知らない

 しずかに

 またしずかに

 光は毎年のように微笑む

009

(桜にかこまれて)

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コメント

塚田様
こころよい調べを読ませていただきました。
何だか音楽が豊かに流れているようで
嬉しくなりました。
取り上げていただいて有難うございます。
・・・・・
ところで、読ませていいただきながらふと思いました・・
今、私のところで出している音楽院の新聞の360号を準備しています。30周年の記念号なので、いろんな方から原稿をいただいています。
6月1日発行の音楽便り「エスプレシボ」に、この「三月三十一日」を掲載させていただけないでしょうか?
何かコメントがあれば付け加えてもかまいません。
よろしくお願いします。ご検討ください。
竹内

竹内様
ありがとうございます。
この「三月三十一日」でよければお使いください。
コメントとしては、外出することの少ない妻が、ギター演奏を聴きに行った際、何年かぶりで満開の桜の木の下で花を楽しむことができた事を書き添えることになると思います。
またお会いできる日を楽しみにしています。
原稿のご連絡もお待ちしています。


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