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薔薇の葉の香り

 冬なので、薔薇の剪定をした。

 あたたかい日差しの中、紅い芽の上側に鋏を入れる。切る毎に、仄かに香りがしてくる。

 剪定が終わっても、香りが辺りから消え去らないので、掌を嗅ぐと、花の匂いがする。切り落とした葉を集めてみると、もっと強い匂いがする。

 薔薇は葉っぱでも匂いが強いんだと、新たな発見。秋に桜の落葉を集めたときも桜の匂いに満たされた。↓

 http://fleurs-au-vase-jaune.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-f59a.html

 生命の香り。生きていくことにともなう意思のようなもの。

 そういえば、M.プルーストは『失われた時を求めて』の中で、匂いから喚起される幼い頃の記憶を鮮やかに描いていた。

 匂いは記憶を呼び覚ます。一瞬にして、遠い時空の。

 生命は、何の記憶を想起しようとして、ここに在るのか?

 薔薇は薔薇に在り、薔薇でなかったときの自分を思い出そうとしているのだろうか?

 思い出したい! 強い想念が匂いとなり、香りとなり、他者の身体と心に届き、ときに共鳴して、一つの小さな宇宙を生みだすのかもしれない。

 蹲る記憶。さらに広い時空に至ろうとする。その行き来を、生命と呼ぶこともできるかもしれない。

 集めた葉を部屋にあった篭に入れて、机の上に置いた。部屋に、薔薇の香りが拡がった。手にもまだ残っている。

002

(自然のアロマテラピー)

 

 

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