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わたしを離さないで Never let me go

 2010年イギリス・アメリカ映画。原作はカズオ・イシグロ。

 寄宿舎学校へールシャムで育ったキャシー、ルース、トミーの物語。

 見知らぬ誰かの生存のために自らの身体の一部を提供する生とは何か? “介護人”として生きることを選べば、身体を提供しなくてもよいという。身体の一部を幾度か提供すれば、やがて個体の死に至る。

 その生を受け入れるために、寄宿舎学校の教育はあった。

 彼らは遺伝子操作医療によって生まれた“コピー”である。

 はじめから強いられていた生は、幸福という観念から遠いところにある。欲求さえも、できれば知らぬままに終える。しかし、どこかで、誰かと繋がっていたい気持ちはより強くはたらいたのかもしれない。

 どこかで、誰かと。

 どこかで、何かと。

 はじめから存在などしなかったかのような生は、親さえも知らず、ただ“あなた”とともにあることを願う。

 そのような生があるのなら、最善を尽くして、その生が全うされることを、私は願う。短い生の一瞬毎が尊いのだと思う。未知なる何かを感じようとして、自らをささげる。心は激烈な抵抗にあうだろう。引き裂かれ続けるだろう。それでも、誰かを愛そうとして、愛さずにはいられなくて、生きる。

 そのような生の記憶を、私は持っているだろうか。

http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=LE9ny5VDt1c

004

(ある冬の朝に)

 

 

 

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