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詩を書いているのはだれ?

 先日、中1の女の子の詩を読ませてもらった。その時に思ったこと。

 詩とは他者になることである。

 いろんな詩を読む機会があるのだが、その多くは個人的な事情のあれこれを綴っている。それはそれで良いのだろうが、読む私には響いてくるものがない。「そうですね。そういう生き方なのですね」

 私に響く言葉とは、物の側に立った、物の表白である。たとえば、

 「犬が口を開いて死んでいる。

  その歯の白くきれいなこと。」 (小野十三郎)

 一瞬ドキリとし、情景が鮮やかに浮かび上がる。人間社会と、自然の摂理に思いを向けさせる力がある。

 詩とは物の語りを聞くことである。

 女の子の詩

 

   どんぐり

 私は秋を待っている

  秋になれば葉がなる

  葉がなれば

     いろいろな実ができる

 ・・・・

 「ドキドキ・ワクワク」

 あぁ、はやく私の大好きな

 ぼうしをかぶりたい

 

 どんぐりの「私」のワクワク感が見事に表現されている。だから、生きものそのもののワクワク感も溢れてくる。

 物という他者に見られたこの世は、個人の私を超えた拡がりを持つ。その拡がりが、詩をつくり上げる。書いているのは私ではなく、物である。物の「私」である。

 先の2行詩で言えば、死んだ犬の歯をきれいと感じる「何か」が、詩の感性の中心にある。

 「何か」が他者である。

 人の営みは、自己中心性から解放され(自由になり)、他者に生きることを目指している。

 他者になること、それが詩である。

 それが、あらゆる生の可能性を照らし出す。

008

(秋のはじまり) 

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詩を読む」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。
ふらっとやってきて、詩を書くのは誰を 読ませていただきました。
なるほど、なるほど・・・そうですね
納得です。
心がけたいと思います。

その後、奥さんや、センターの皆さんお変わりないですか?
誌を読む会・・・地道に続けているようですね。
土曜日は仕事があるので、覗けませんが・・・
がんばってください。

お久しぶりです。
3月末から7月末まで妻が入院していて、それで春のコンサートに行けませんでした。今度11月25日の竹内先生たちのコンサートにはお伺いしようと思っています。

今、大分県詩人連盟主催の「新人賞」の選考のため、若い人たちの詩を読ませてもらっているのですが・・・ドキッとするような良い詩に巡り合いたいですね。

先生の俳句も読ませてもらっています。ふと微笑んでしまうような、楽しい句が多いですね。

では、また。

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