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2012年8月

詩を読む会(22)

 続けて、他の作品を紹介しよう。

 詩を初めて書いたという人も。それでも、その人の「世界の感じとり方」が表れていて、なるほど、なるほどと、感心させられる。

 書く人に意識されていない世界も、言葉は表してくれる。その「意識されていない世界」が、詩の生命ではないか、とも思う。

 その世界は、その人を超えていて、いたるところに訪れ、人の心を豊かにしてくれる。

 

  おしゃれ・・って

 

お洒落ってなんだろう?

いろいろ、あるけれど

”ネイル” もそうだし

ファッションを楽しむことも

お洒落だけど

私が一番、好きなお洒落は

心からあふれる笑顔と奇知にとんだ

会話のお洒落が好きだ

ほかにも “おいしい” ものを

おなか1杯食べて幸せを感じるのも

“お洒落” かも・・・。

 

 

  

 

深々とはかなく煙るみどりなす

山脈(やまなみ)に見上げれば一粒の星

 

灼熱の太陽が溶けて夕日に

沈むとき声をかぎりに鳴く虫の声

 

はてもない大空の満天の星に

みのりの喜びを告げ

 

酷寒の大地に尚も夢を語り

人は皆美しい星々に祈る

 

宇宙の果てまで届けとばかりに

  

 

  跫(あしおと)

 

あたたかな春の

日だまりにやすらぎ

 

うれいの丘に立ち止まり

吹雪の朝のざわめきに

 

はてもない道の果ての

雨つぶて

 

ひたひたと遠ざかる

足音に

 

行くあてもなく

明日のための

米をとぐ

 

 

  宇宙(そら)の詩

 

宇宙の中の地球という星に生まれ

旅をはじめて半世紀が過ぎ

未だ着地点が見つからず さ迷っている

私の中の探索機は何を求めているのか

 

幸福でも不幸でもなかった

人生がそろそろ終盤にさしかかった

行き着く先は “夢の銀河鉄道” ?

私のイーハトーブ!!

 

私のまほろば は

宇宙の中の

地球という惑星

宇宙の旅は永遠に続く

 

 

  夢絵パズル

 

夢と聞けば私の場合 幼い頃は遠い未来を好きに描く画用紙だ

障害を理解する迄は 出来る出来ないとか関わらず

希望色のみ夢中で描いていった

保育士の理想の自分だけど 現実を知る度その夢を塗り潰した 破り捨てた事もある

でも破片を拾った時気づかされたこと…

今の私は 夢に達する全ステージクリアは現実上は難しくても 1ステージのどれか

その中のなにかでも出来るならやろうと思いが変わった瞬間 夢が私の中に戻った

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(屋根の上の思索者)

詩を読む会(21)

   今日、詩を読む会(第7回)を開催した。より楽しく、充実した時間だったように思う。この会は1年前に始めた。当初は「詩を通してのおしゃべり会」のつもりだったが、けっこうまじめに詩を書いたり感想を伝え合ったりもしている。

 差し入れとかもあって、お茶会みたいな感じでもある。そういうのが良いと、私は感 じている。ざっくばらんに、いろんなお話しに興ずる、それが「表現」することの楽しさにつながれば良いと思う。

 いろんな詩を読んでいると、作者の「この世の感じとり方」の違いがよく伝わって来る。その良し悪しではなく、その違いが、私には面白い。

 今回も持ち寄られた幾つかの作品を紹介しよう。

  

  

                              田中裕子                  

朝露に浅い時間が反射する中を

軽々と自転車にまたがり

静止の姿勢で

急坂を下りていく少年を見た

彼と時間はよくつり合っていて

  

積み重なった時間のむこう

押し込まれたものを掘り出すために

ねじれてしまった背中の

どこを伸ばせばいいのだろう

  

背を割った抜け殻が

みかんの木陰にとまっている

またからっぽになるまで

瀑布のように放出し続けるために

まっすぐに飛んで行ったのだろう

殻を脱いでも

固い骨格の中でしか生きられない虫の

かしこさと悲しみで

しばらくあたりはしんとする

  

蝉のように

まずは風を通すことから

 

 

  木は旅が好き

                              茨木のり子

木は

いつも

憶っている

 

旅立つ日のことを

ひとつところに根をおろし

身動きならず立ちながら

 

花をひらかせ 無私を誘い 風を誘い

結実を急ぎながら

そよいでいる

どこか遠くへ

どこか遠くへ

 

ようやく鳥が実を啄む

野の獣が実をかじる

リュックも旅行鞄もパスポートも要らないのだ

小鳥のお腹なんか借りて

木はある日 ふいに旅立つ――空へ

ちゃっかり船に乗ったのもいる

ポトンと落ちた種子が

〈いいところだな 湖がみえる〉

しばらくここに滞在しよう

小さな苗木となって根をおろす

元の木がそうであったかのように

分身の木もまた夢みはじめる

旅立つ日のことを

幹に手をあてれば

痛いほどにわかる

木がいかに旅好きか

放浪へのあこがれ

漂泊へのおもいに

いかに身をよじっているか

013_2

(むこうに空港があるんだろうか) 

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