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初夏

 今日の丘に 

 あたたかな風が吹く

 授業の隣りの部屋では

 人が静かに休息をしている

 外の子どもたちは

 ハンドベースボール

 街角に一輪の椿

 その向こうには海

 悔いと畏れと

 芯に見えない希望の部屋を用意して

 もうしばらくこうしていよう

 すべてが消えても ここにいよう

 しっぽを仕舞う犬

 まだ人になつかない

 容易に変わらないもの

 うつりゆかぬ景色

 まだ変わりたくはない

 いくつもの楽しげな声がやって来て

 ときおりなつかしい歌が聞こえた

 受けとめて部屋にほうりこむ

 幼い子の作った砂のプリン

 いくつも いくつも

 きれいに並べる

 じょうずね

 夕べには海から冷たい風が吹いてくる

 子どもたちが帰ってゆく

 もうしばらく

 もうしばらくここにいよう

029

(石巻 日和山 2011.6.3)

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