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パーキンソン病と携帯

 その方はパーキンソン病を持っておられた(要介護認定は3だった)。

 動作はかなりゆっくり。歩行器を使われていて、部屋と食堂の行き来、歩行の練習の際に、傍に付き添って歩いた。1,2,3,……,99,100、と声を掛け、ゆっくり歩く。時々上体に脚がついて来ずに前のめりに。体勢が整うまで待って、また歩く。

 食事もマイペースで。みなさんが終わって、最後に部屋へ戻られる。

 とてもきれい好きな方で、洋服もたくさん持っておられた。部屋へ遊びに行くと、もともと社交的な方で、話したいことがたくさんあるようで、あれこれと、聞き取りにくい小さな声で話される。病気のせいで声が出にくいのだろう。それでも、にこにこと、話しつづけられる。

 「それでな、……」「それでな、……」聞きなおすことも多かった。

 いろんなきれいな柄の紙(和紙)をたくさん集められていて、名刺入れを作られていた。私もたくさんもらった。

 その方は携帯を愛用されていた。話し好きだし、いろんな方面に用事もあるから、とだけ思っていたのだが…。

 その施設をやめて、1年程経って、京都の丹後のお土産に縮緬を送った時のこと。

 お礼の電話がとどいた、その携帯から聞こえてきたその方の声が鮮やかで、驚いた。

 エッ? アッ、そうなんだ! 人と話すとき、携帯だと声を拾ってくれる。だから、携帯が好きなのかも。必要にかられて、でも聞こえないほどの小さな声でも、携帯なら拾ってくれる。

 その方のいろんな所作が脳裏によみがえった。

007 

(うちでできた苺、おいしかったです)

 

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