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空が青いから白をえらんだのです

 寮美千子編(2010).空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集.長崎出版

 この詩集は、奈良少年刑務所で「刑務所のなかでも、みんなと歩調を合わせるのがむずかしく、ともすればいじめの対象にもなりかねない人々。極端に内気で自己表現が苦手だったり、動作がゆっくりだったり、虐待された記憶があって、心を閉ざしがちな人々」を対象とした「社会性涵養プログラム」の一つ、「童話と詩」の授業でつづられたという。

 一読して、とてもよい詩集だと感じた。どの詩も、素直な心情が描かれている。うまい、へたではなくて、自分と向き合って出てきた言葉がつづられている。気持ちがすーっと伝わって来る。

 授業を担当し、詩集を編集された寮美千子さんが書かれているように、刑務官の先生たちとのかかわり、自分の書いた詩をみんながじっと聞き入り評価してくれる場、そして詩の言葉の力が、荒れ地だった子らの心を耕し、社会で生きていく力をもたらしていると思う。

 そのあたたかい関係性が、どの詩からも感じられる。

 自分の内や外の何かに気づいたときに、言葉が生まれる。

 わが家に来られるヘルパーさんにもお貸しした。中学生の子の夏休みの読書感想文・画の題材に使われたらしい。

Photo

(何に見えるかな)

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コメント

ありがとうございます!
刑務所で授業をして「人は変われる」と実感。
だれのなかにもやさしさがあることを確信できるようになりました。

新潮社から、文庫本も出ました。よろしく!
『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』
http://amzn.to/soragab

私は、「みんなで自由に詩をつくろう!」という題で――障がいのある人ない人、知り合いの人等、文学にあまり接することのない人にも声をかけて――その場でテーマを決め、1時間で詩をつくり発表し合う、という会を1年程前に開いたのですが、参加者の素直な心情が響き合って、とてもよい経験をしました。
詩の言葉の持つ力、でしょうか。
奈良少年刑務所詩集からは、自分の心、他人の思いを見つめることの大切さも強く感じさせられます。
こちらこそ、よい本に出合うことができて、感謝しています。
ありがとうございます!

p.s. このブログ記事の「詩を読む会(2)」でも、表題の詩にふれています。よかったらご覧ください。

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