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内部被曝の脅威

 肥田舜太郎/鎌仲ひとみ(2005).内部被曝の脅威――原爆から劣化ウラン弾まで.ちくま新書

 

 肥田舜太郎氏は、被爆者の医療に携わってきた、自らも広島で被曝した医師。鎌仲ひとみ氏は、「ヒバクシャ」「六ヶ所村ラプソディー」「ミツバチの羽音と地球の回転」の映画監督。

 原爆直後から多数の被曝者たちを診察してきた経験から、肥田氏は内部被曝の閾値はないと指摘する。投下直後に遠隔地にいた人でも、その後広島に入った場合、すぐに症状の出る人もあれば、何十年も経て症状が現れる人もいる。

 それは低線量の長時間の内部被曝が危険だという考え(ペトカウ効果)と一致するし、また発がんの機序における放射能の影響も明らかになってきていると言う。核兵器、原発をつくる人々と健康被害の相関関係も例証されている。さらに、同じ放射線量でも、自然のそれと人工放射性物質のそれとでは毒性が違うとも。

 この地球のあちこちで作られ使われている劣化ウラン弾等の核兵器、そして原発により、私たちは知らない間に被曝しているだろう。多かれ、少なかれ。

 だから、製造、使用をいますぐやめなければいけない。

 なのに、国は、世界は、核を手放そうとしない。

 肥田氏は自らの活動を「大海の一滴」と、諦らめ気味に話され、鎌仲氏は、それでもがんばりましょうと、笑顔を返される。

 本当に、良い本だと思う。

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(2011.7.20. 17:09 鶴見岳近く)

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