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雫の夢

 大きな流線型の水そうのゆかに眩しい光がふりそそぐ

 さきほどの白い蛇のような魚はどこへいったか

 苔を生やしていた割にはおよぎの速い

 透明な空間は向こうまでガラスの切片が煌めき

 ありとあるかがやきに満ちようとしている

 雫の水そうは世界を感じ映し出そうとしている

 光をうちへうちへと 折りたたみまた折りたたみ

 ひろがるより もの思うもの

 散逸するスクリーンたちは木目に当たる冬の日の光のように

 無数の細部を夢見つづける

 私たちは底へ降り 徒労のようにやさしくゆかを磨く

 雫のかなしみはいつのまにこんなに大きくなったのだろう

 白い魚はどの闇へと消えたか

 また大いなるよろこびを与えてくれるか

 流れるものはささやきさやぎ

 たたまれた記憶をしずかにひらこうとする

 あるいはいつまでも祈りのように光を浴びる

 

                      ――あけ方に見た夢より――

723

(朝の光)

 

 

 

 

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