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初夏――ある一日

 たしかこの辺り

 案内の紙片を見つけて 路地の奥へ 

 大手毬の白い花が風に揺れている

 小さな蜂が 見えたり隠れたり

 さて中へ入ろうとすると 鍵がかかっている

 展示会場は1時間前に開いているはず

 辺りには鉢植えの君子蘭や ガーベラ ツユ草などが

 半ば放置され

 小さな花を咲かせている

 会えなかった絵たちの代わりに

 私たちは空想の景色を画く

 路地を出ると 通りは普段の喧騒

 次の訪問場所には

 人の心が溢れていた

 青く澄んだスクリーンに点が生まれる

 「ひこうき雲」

 すると楠の葉から小さな滓が 次々と零れ落ちる

 髪へ

 膝へ

 一つの不在と いくつかの出会いに

 新しい扉がひらいたよう

018

(木漏れ日)

 

 

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