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啓蟄の候

 今日3月6日は二十四節気の一つ、啓蟄(けいちつ)。虫たちが這い出してくる頃。

 時の移りに従い、僅かずつ風景が変わっている。菜の花の黄色も増え、ナズナの白、オオイヌフグリの青もよく目にするようになった。チューリップの茎も少しづつ伸び、さくらんぼの花も咲き始めた。

 順番に、それぞれが呼応する。生まれ、育ち、やがて土に還る。その途上で、数多の夢を見、見る度にその心は癒され、記憶を生き、思いは果てのない世界の彼方へ旅をし、ここへ帰還する。その巡り、同じことの二度とない繰り返し。

 ここの一瞬は、つねに無限の過去と可能性に接している。ルーティーンに見える毎日も、子細には限りない変化に彩られている。何をしよう、どこに対応しよう。時に、手を加えても変わらないだろう世界を変えてみたい衝動に駆られる。

 見えないところで、幾千万の思考が渦巻き、それらは確かな何かに触れたがり、自らの形成の時を待つ。

 今ここに繋がるあらゆる根拠を経由し、感じ、戦い、傷つき、頑なになり、自らをとき解し、やがて地上に歩み出る。

 見上げると、青空と木々の蕾。

 蕾たちもまた、無数の夢を生きているに違いない。

008

(牧3丁目 花の卵たち 2011.3.5)

 

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