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詩の起源

 杉谷昭人(1996).詩の起源.鉱脈社

 読みはじめたところであるが、良い本であると感じる。分かりやすい文章であり、詩人杉谷昭人の感性、言葉に信頼がおける。

 紹介されているキャスリン・レイン、片瀬博子も、昨日注文した。今まで読んだなかの幾つかの文を引用する。

 〈すぐれた想像力というのはどういうものでしょうか。詩人にとって、それは自分ひとりだけの経験を、豊かな感受性によって、あらゆる人間存在の経験として認識するとともに、世界はどのように存在しなければならないかという蓋然性の知覚によって、その経験を、読む人々に伝達すべきものと、そうでないものとに選び分けてしまう能力なのだ、と私は思います。また読者におけるすぐれた想像力というものは、詩を読んだときに、過去の時点における自己の存在の価値というものをまったく忘れ去って、自分の目の前の、一枚の紙の上に展開された詩のなかに自分が生きていることのよろこびを見出し、自分は生きなければならないのだ、という信念をもつことのできる能力だ、と言えるでしょうか〉p.31

 〈詩において、虚構の世界と交わることとは、ほんとに経験したことのない驚きを感じとることであり、技法的には、まったく新しい言葉の機能の発見とでも言いましょうか、ひとつの比喩の創造を意味しているのです〉p.37

 〈詩というものは、最初に申しましたとおり、言葉が求める認識の世界を、言葉以外のもの――つまり自由な想像力によって創造しようとする努力なのです……詩人が構築しようと試みた世界の創造に参加することは、詩の読者にとって、権利というよりはむしろ義務である、と言わねばならないでしょう〉p.41-42

 詩を書くこと、詩を読むことは、この世を創造することであると、言っている。それはまったく新しい見方で世の中を見ることである。それが生きることである。

 「人は詩人としてこの世に住む」(ヘルダーリン)

 読み進めた上で、またこの本について書くことにする。

001

(大分市寒田そうだに咲いたよ)

 

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