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僕と妻の1778の物語

 パラレル・ワールドという発想は、こういう物語から生まれるのかもしれないと、この映画を観て思った。

 こういう物語とは、愛する人といつまでもいっしょにいたい願いから生まれるお話し。

 パラレル・ワールドとは、主人公牧村朔太郎によれば、この宇宙では、こことは別の世界が同時並行的に存在し、その世界でも、僕と妻は一緒に生きているということ。

 いつまでも、どこまでもいっしょにいたい。この世で別れることになっても、別の世界ではいっしょにい続けることができる。そういう願い。いや、朔太郎にとって、それは願いではなく、現実にそうなのだった。

 妻を笑わせるために、毎日3枚の短編小説を書いた。それは確かに「笑わせるため」だったのだけれど、同時に、今よりもっと強い絆を求めていたのかもしれない。2人が別の世界でもいつまでもいっしょに生きていられるような絆を。

 心の中でだけでなく、願いは現実となるのだから。

 だから、いっしょに読んで、いっしょに笑って、いっしょに青い空を見て、感じた。

 妻が眠り続けている間、彼もまた、夢と現の間をさまよった。いっしょにいたいから、「同じ」場所に。

 彼は恋愛小説は書けないと言ったが、1778の短編は、それ自体が恋愛小説である。不器用な表現であっても、それが彼(と妻)の心の形だから。

 そこここで、私たちは、いっしょに生きている。

 人は、数多の他者の思いによって生きている。それは目には見えないけれど、目に見える世界よりずっとたしかな絆である。その絆のために、人は生きているのかもしれない。

 思いたちの織り成す(この)世界を、パラレル・ワールドと、私は呼んでみたい。

013

(青い空からやって来た)

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