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日矢

 13年前、大阪文学学校で詩の合評会に出ていた時のこと、澤女さんという俳句をされるおばあさんから「日矢」という言葉を教えてもらった。

 以来、雲間からさす日の矢を意識して見るようになり、最近は、見る毎にそれを美しいと感じるようになった。

 そこに何かの譬えを見る訳でなく、自然現象の妙に感じ入るのでもなく、たんに、あれは「日矢」なのだと言葉を介して見る。

 すると、情景そのものではなく、「日矢」というものが私にやって来る。虹を「虹だ」と見るのといっしょ。

 そのように見ることで、そこに現われている何かを見落とすことになるかもしれない。

 しかし、私には澤女さんたちと合評していた頃の風景が重なる。

 そのことは、情景そのものに溶け入ることより、何か別の楽しみを与えてくれる気がする。

 それを見る毎に美しいと感じるようになったというのは、その頃の私より多少は成長したということかもしれない。

 日矢のあちこちに、さまざまな人生の風景、出会った人々の風景が、幾重にも重なって見える気がする。

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(別府市から高崎山を見る)

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