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ベティ・ブルー 37°2 LE MATIN

 Betty Blue (ベティ・ブルー)、 監督は Jean=Jacques Beineix

 ベティの魅力は壊れやすさをあわせ持つ。

 無垢で純粋、(それゆえに)防衛機制がない。

 そのベティを心から愛する作家志望のゾルグ。壊れそうなベティを、何とかこの世に繋ぎとめようとするのだが、ベティの心は彼の思いから横溢する。

 作家の記憶を辿るかのような一つ一つの映像と音。

 「存在しない何かを求めているようだ」とゾルグは述懐する。

 2人で弾くピアノの音が、なぜか心に残る。音楽もまた、存在しない何かを求めているのかもしれない。

 あらゆる音楽、芸術作品もまた。

 ベティをこの世に引き留める唯一のかたちであったゾルグの作品(歴史小説)は、彼女が正気を失った後に、出版化が決まる。

 この世のあれこれは、彼女にとってあまりにも矮小でつまらないものだった。

 本当は、この世はもっと豊かな可能性に満ちていて、でも目の前のあれこれに拘泥する人々の妥協がつまらない現実をかたち作っている、そんな悔悛を、この映画は抱かせてくれる。

 存在しない何かを求めて、私たちは生きている。

 その追求に、もっと心を砕かなくては。

 丘の上の小さな古い石造りの家の傍で、ゾルグはベティに、目に見えるすべての風景をきみにあげると言った。木々の間の太陽も、風も。

 「風だよ、ベティ」

 書き続けるゾルグ同様に、ベティの笑顔が、声が、観終わってからも、いつまでも心に残り続けた。

https://www.youtube.com/watch?v=4l3NG2NqyaY

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