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2008年11月

天路歴程

 この世に在るとは、一つの夢を生きることである。

 夢を生きるとは、翻弄されてなお、感じとられている確信の方へと向かうことである。

 その(夢の)膂力に身を委ねること。

 この寓意物語は、作者ジョン・バニヤンの生き方そのものであろう。

 それを読む〈私〉には、その生が今の自分自身の経験のように感じられる。

 

ご縁玉

 乳がんを患い、大分県豊後高田市を中心に「いのちの授業」を展開している元保健の先生(養護教諭)の山田泉さん(やまちゃん)と、若手の世界的チェロ奏者エリック・マリア・クチュリエとのふれあいを描いたドキュメンタリー映画。

 がんを告知され、好きなことをしようと訪ねたパリで、やまちゃんは(共通の知り合いにより)エリックを紹介される。彼のことを何も知らなかった彼女は、お別れに5円玉をわたす。ご縁がありますようにと。

 その3ヵ月後、エリックはやまちゃんに会いに大分に来る。やまちゃんは児童養護施設、、ホスピス等にエリックを招待し、チェロを弾いてもらう。

 やまちゃんは鷹揚で、あったかい感じの人だ。エリックも素直な、優しい感じの人だ、忽ち子どもたちに溶け込んだ。

 

 でも、本当のところ、エリックは何をさがし求めていたのだろう。自身ベトナムの孤児であったから、旅により、「何か」に出合うことを期待していたのかもしれない。

 「さがしていたものは見つからなかった」と独白していた。

 でも、多くの出合い(ふれあい)は、彼に何かを与えることになるかもしれない。

 

 この映画を観たのが11月19日(水)の午前。

 その2日後、ある席でこの映画の話をしていたら、「山田さん、亡くなったよ」と、聞いた。「今日知り合いからメールが来ていた」と。すると、横で聞いていた人が、「えっ。私、山田さんから習ったことある」。

 絶句。しばし沈黙。

 「不登校の子とか…、面倒見の良い先生だった。私の友だちもお世話になった…」

 

 「『いのちの授業』をもう一度」、「いのちの恩返し」。

 やまちゃんの本、読んでみよう。

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