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虹の女神

 優柔不断なところが好き。

 鈍感なところが好き。

 不器用なところが好き。

 なにより、笑顔が好き。

 航空機事故で亡くなった佐藤あおいが部屋に残していた、大学時代に岸田智也から代筆を頼まれた女の友人宛のラブレターの裏に、あおいはそう記していた。

 「岸田さんのことだよ」 目の見えないあおいの妹がやさしく笑う。

 「ばかだなあ、お姉ちゃんも、岸田さんも」

 智也はしゃくり上げて泣く。読んで、ようやく、あおいの気持ちが、わかった。自分の気持ちもはっきりわかった。

 わかって、智也の心は、すうーっと、見通しのよいものになったような気がする。雨後の虹の空のように。

 あおいはもういない。だから、いまはただ切ない。

 かつてあおいと一緒に見た水平の虹を、あおいの死の直前に智也は見、その写真をあおいにメールした。

 

 人の心に残る人の生(心)は、残るだけではなく、変えるのだと、思う。気づかせてくれた人への切ない思い(彩り)がそこに重なる。

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