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海の上のピアニスト The Legend of 1900

 ジュゼッペ・トルナトーレ監督「海の上のピアニスト The Legend of 1900」(1999)を観た。

 1900年に、大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号の中で生まれ、機関工によって育てられ、一度も船から下りることなく生涯を終えた天才ピアニスト、ナインティーンハンドレッドの物語。

 彼は、海や大気のリズムを間断なく感じとり、人の思いを間隙なく読みとり、心に伝わる音楽を奏でる。多様な聞き覚えた曲、そして「かつて存在したことのないような」音を。

 それはどのような音だろう?

 When you hear misic, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again. (Eric Dolphy)

 その音は、つねに存在しているのかもしれない、私たちが気づかないでいるだけで。気づいている人には、つねに聞こえているのかもしれない。

 一つ言えるのは、かつて存在したことのない美しい音を奏でる海の上のピアニストがいたことを、心に留めておくことが、どれほど心地よいか、ということだろう。

 何かの折に、美しい音が聞こえてきたとき、それはあのピアニストの曲ではないだろうかと、不意に我を忘れて感じ入ってみることの喜び。そのとき、あるやさしい表情が浮かぶだろう。

 それはつねに、空中に消失するが、心のある場所では、消えずにいつまでも響きつづけている。

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