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フラナリー・オコナー

 本屋で、題名に引かれて手にとってみた。

 『存在することの習慣――フラナリー・オコナー書簡集』(2003,筑摩書房)

 オコナー…どこかで聞いたことのある名前…存在することの習慣とは? ページをめくるうちに、訳文を通して感じとられる言葉の質に手ごたえを感じた。

 アメリカ南部、ジョージア州の作家(1925-64)。そう言えば以前ペーパーバックで短編を読んだことがあった。その時は何も感じなかったのだが。

 それで、短編集を借りて読んでみた。

 「善人はなかなかいない」 

 「すべて上昇するものは一点に集まる」 

 「聖霊の宿る宮」 

 「生きのこるために」 

 「なにゆえに国々は騒ぎ立つ」

 手ごたえとは、ある種の共感である。計算して生きる賢しらを、彼女は嫌う。信仰を知性で理解しようとする態度も嫌悪する。彼女は書くの(創作)に時間がかかるとも言っている。

 登場人物たちは個性が強い。物語には緊張感が溢れている(一触即発の雰囲気)。それらははじめから意図して書かれたというより、考えながら、むしろ自らの思考を裏切る形での展開を受け入れつつ書かれたという感じがする(真正なる思考は当然その担い手を裏切りもするだろう)。

 もっと読んでみたい。長編『賢い血』なども。

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