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呆けたい

 「年をとって、あなたは呆けたいですか? それとも呆けたくないですか?」というアンケートは聞いたことがない。問いとして成立しないのか?

 「呆けないために」というフレーズはよく聞く。呆けることはよくない、というのは暗黙の了解なのだろうか?

 さて、実際に認知症の方々のお世話をしていると、呆けるのも悪くない、と感じられることが多い。以前にもかいたが、皆笑顔が素敵なのだ。所謂屈託がない。

 Sさん、90歳女性。一言で言えば美しい人。いつも目元がにこやか、涼しげで、上品。介護者が手を差し伸べると、その手をご自分の頬に寄せ、ニコッとされる。トイレに誘導すると、「ありがとう」お辞儀をされる。高校で英語を教えられていたとか、愛情表現が豊かなのも頷ける。あんなおばあちゃんになりたいね、と皆異口同音に言う。

 心身の苦痛、不安、寂しさ、は誰もが感じておられるのだろうが、笑顔が素敵なのはなぜか?

 ただ、殆どの方が帰宅願望を口にされるのには困ってしまう。ご自分の置かれている状況を認識されていない、どこかに招かれていると思っておられるのだろう。

 「では帰ります」「今日は本当にお世話になりました」

 いいえ、ずっと居ていいんですよ!

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