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阪神ファン

 大阪市港区でホームヘルパーをしていた頃、毎日20:30-21:00に、脳梗塞後遺症で発語のできない元船長さんの服薬介助を行なっていた。髪がなく、いかついおっさんといった感じの方。

 いつもテレビを見ておられ、シーズン中は必ず阪神の試合観戦(試合のない月曜だけは「水戸黄門」)。部屋には背番号7の縦縞が掛けてある。――それまで私は阪神ファンではなかった。

 負けていると機嫌が悪い、勝っていると「おー、おー」と笑顔。私も一緒に応援する。負けている時、「でも今日は良い試合をしていますよね」と恐る恐る声を掛けてみた。ウンウン、と頷かれる。阪神の打者が初球を見送ると、打たなあかん、といったジェスチャーをされる。「待っていてはだめですよね」。ウンウン。そういうことを繰り返しているうちに、私もいつの間にか阪神ファンになってしまった。

 2003年9月、優勝の日。訪問すると、もう泣いておられた。おいおいと。バンザイ、バンザイ。暫くして娘さんが帰ってこられた。「おとうちゃん、優勝おめでとう」またおいおいと泣かれる。今度は夜の勤めの奥さんから電話。「おとうちゃん、よかったなあ」。「あー、あー」また涙。

 1年ほど前に他界されたらしい。

 船長さん、昨日は巨人に逆転勝ちしましたよ!

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コメント

ちょっとウルみました(´;ω;`)ウルウル

阪神ファンのこのおじいちゃまは亡くなっちゃったって事ですよね?

どこにいても阪神を応援してくれる人がいるだなんて。選手の方々はシアワセですね!

sumisumiさんありがとうございます。
ほんとに、良い人だったんですよ~魂の芯のところが暖かいというか。
私の尊敬する人の一人です。

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