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石仏

 ジョギングコースの一つ、竜峰山登山道に到る道に、5つの石仏があり、私はその傍を通るたびに手を合わせている。いつからか、ごく自然に。

 小さな石仏らの前には、いつでも花が添えられている。

 子どもの頃、母の里の山には小さなお堂があり、傍には石仏が在った。苔の上には千両の実。奥の杉林は暗く、何かしら神聖な場所である気がしていた。手を合わせるのはその頃からの習慣かもしれない。あるいは、そのような存在への愛おしさからかもしれない。

 時代は便利な方向へと流れている、果たして本当にそれが便利なことなのかという疑問は一旦置くとして。高速道路が通り、里の山は一変した。…臓器移植、生命操作、人間の欲望は、自らの拡充を専らとしている感がある。

 そのような方向へと向かうのを阻止するのは、自然への畏敬であり、深く何かを考える意志を持ち続けることである(と私は考える)。心で考えて生きると、幾つもの小さな痛みが感じられる。

 この世への抵抗。

 私にとって、石仏はその抵抗の道に並ぶ標なのかもしれない。

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